子どもの聴力測定は、大人の聴力測定よりも複雑です。

まずは、子どもに難聴が疑われる場合の傾向ですが、「大きな音や呼びかけにも反応しない」「生後6ヶ月が経過しても、音への反応や音の真似をすることがない」「生後12ヶ月が経過しても、しゃべることがない」「2歳以降になっても、単語も話さない」といったものが挙げられます。また、ある程度成長した子どもの場合、周囲の子どもより口数が少なかったり、何度も聞き返したりするといったことが目立つようであれば、難聴が疑われます。もしも難聴であった場合は、早めに対処することが大切です。

幼い子どもに補聴器を装用させる場合も、当然ながら聴力測定が必要になります。しかしながら幼い子どもの場合、成人とは違って、検査の意味や内容が理解できなかったり、測定の際に適切な判断、対応が難しくなってしまいます。とくに、乳幼児の場合は自分の意志で反応することなど不可能になりますので、聴力測定の方法が特殊なものになります。

新生児の聴力測定は、新生児反射を利用した反射聴力検査という測定方法が用いられます。この方法は、新生児にイヤフォンなどから音を流し、新生児の音への反応を観察するという測定方法です。新生児は自らの意志で反応することができないため、検査を担当する医師などが、新生児の脳波や耳音響放射の反応を読み取ることで測定します。

幼い子どもが補聴器を装用する際の聴力測定の方法ですが、2~3歳以上になってくると、ゲームで遊びながらの検査ができるようになります。ヘッドフォンなどを着用させ、音が聞こえるたびに、おはじきやサイコロなどのおもちゃを使って一定の動きをさせたり、機械のボタンを押させるなどして、聴力を測定していきます。言葉の聞き取り能力を測定する語音測定でも、やはり玩具など使用して測定を行います。小学校に入ってしばらく経った頃の子どもであれば、大人と同じような聴力測定も可能になります。
聴力測定は上記で挙げたもの以外にも、さまざまな方法があります。病院や医師によって測定の方法が異なっており、一概にどの方法が優れているなどということはできません。

補聴器と「聞こえ」について

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