難聴の原因や症状はさまざま。診察を受けて適切な対応を。

先進国では、難聴の人の割合が約10~15%ほど存在しているといわれており、日本では約1,400万人が難聴の悩みを抱えていると見られています。一般的な難聴の場合、加齢とともに進行するもので、徐々に聞こえが悪くなっていきます。ゆっくりと進行していくために、なかなか自覚する機会がなく、気付いたときには日常生活に支障を来すまでに進んでいることが多くなります。また、大きな音を聞くことで突発的に難聴になる場合や、生まれたときから難聴である場合もありますが、いずれにしても思ったように音を聞き取ることができないというのは、本人や周囲の人達にとって悩ましい問題となります。

難聴の症状を見てみますと、高い音や小さい(弱い)音が聞こえにくいという症状や、言葉をはっきりと聞き取ることができないという症状などさまざまです。また、難聴の原因も症状と同様にさまざまです。もっとも多いのは、加齢とともに聞こえが悪くなる老人性難聴です。老人性難聴は、音を感じ取る有毛細胞が、加齢によって劣化・減少することで起こると考えられており、根本的な治療が不可能です。老人性難聴の悩みを克服するには、できるだけ早めに補聴器を利用することが有効です。年齢に関係なく、音が突然聞こえなくなるのが、突発性難聴です。その原因はストレスや耳の病気、ウイルス感染などの説がありますが、安静にしておくことで改善される場合や、治療や投薬が必要な場合もあり、早めに医師の診察を受けることが大切です。最近では、イヤフォンやヘッドフォンなどを使って、大音量で音楽を聴くことが原因の難聴も増えています。この場合、日常的に大きな音を聴き続けることで、有毛細胞を傷つけていることが原因と考えられます。生まれたときから音を聞き取りにくい先天性難聴は、1,000人に1~2人の割合で発生するといわれています。生まれたときから聞こえにくいため、両親などの身近な人ができるだけ早く気付いてあげることが必要です。

難聴の症状や原因については、自分で判断することはせず、きちんと医師の診察を受けてから適切な対応をとるようにしましょう。医学的な治療が可能なものと、治療が困難なものがありますので、聞こえが悪くなってきたら、できるだけ早く医師に診てもらうことをおすすめします。また、補聴器を選ぶ際は、音そのものが聞こえにくい場合、音は聞こえるが会話が聞き取りづらい場合など、状況に合わせて選ぶことが大切になりますので、慎重に補聴器を選ぶことが大切です。

補聴器と「聞こえ」について

ページトップへ