機械などで聞こえの状態や程度を測定。痛みや苦痛はありません。

補聴器の購入・装用を検討する前に、必ず耳鼻科を受診して、補聴器の装用のための聴力測定を行うようにしましょう。補聴器を快適に使用するためには、非常に高度な調整が必要になりますので、まずは医師による適切な聴力測定を受けてから、補聴器選びや調整を行うことが大切です。また、場合によっては治療が必要な病気が見つかる場合や、補聴器を装用する必要がないことも分かる場合がありますので、必ず耳鼻科を受診しましょう。

一般的に、補聴器の購入・装用を前提とした聴力測定の場合、「オージオメータ」という特殊な機械を使って測定が行われます。オージオメータという機械は、125Hzから8,000Hzの間の7つの周波数の音を、強弱を付けて発します。オージオメータから発せられる音は、ヘッドフォンを通して聞き取ります。測定の際には、1つの音をだんだん強くしていきますので、音が聞こえ始めた時点でボタンを押して合図をします。測定した値は、「オージオグラム」という聴力測定用の表に記入されます。オージオグラムに記入された値を見ることで、どのような音が聞こえているのか、聞こえていないのかが分かり、現在の聴力の状態を判断することができます。なお、オージオメータを使った聴力測定は、外からの音を遮断する防音室(聴力検査室など)で行われます。防音室の広さは通常1畳~3畳ほどですので、狭い場所が苦手な方は予め医師に相談しておくほうが良いでしょう。

オージオメータを使った聴力測定のほかに、「語音測定」というものがあります。オージオメータを使った聴力測定は、聞こえの状態や程度を測定するものですが、語音測定は「言葉を聞き取る力」を測定するものです。補聴器を購入・装用するうえでは「言葉をどのくらい聞き取ることができているのか?」が非常に重要な要素となります。語音測定をすることで、「どのくらいの声の大きさなら聞こえるのか?」「一つひとつの言葉を、きちんと聞き取ることができているのか?」を測定することができるので、補聴器を選ぶ場面やボリューム調整などの場面で大いに役立ちます。どちらの検査も、痛みや苦痛などを感じることもなく、比較的短時間で終わりますので、何も心配することなく耳鼻科で測定を受けてみましょう。

補聴器と「聞こえ」について

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