補聴器に欠かせないのが電池です。補聴器は本体が非常にコンパクトにできているため、単3型乾電池や単4型乾電池のような大きな電池ではなく、いわゆるボタン型電池を使用することになります。ただし、補聴器に使われるボタン型電池は、「空気亜鉛電池」と言われるもので、一般的なボタン型電池とは異なりますのでご注意ください。本体を胸ポケットなどに入れて使用する「ポケット型補聴器」の場合は、お馴染みの単3型乾電池や単4型乾電池を使用します。

補聴器の電池の種類

  • 10A(PR536)
    黄色のシールが目印の10A(PR536)はCICの補聴器で主に使用されます。
  • 312(PR41)
    茶色のシールが目印の312(PR41)は耳あな型のカナル、小型サイズの耳かけ型補聴器で主に使用されます。
  • 13(PR48)
    オレンジのシールが目印の13(PR48)は耳かけ型ハーフシェル、フルシェルタイプの耳あな型の補聴器で主に使用されます。
  • 675(PR44)
    青色のシールが目印の675(PR44)は高出力タイプの耳かけ型補聴器に使用されます。電池容量も多くなるため比較的長時間補聴器を使用できます。

補聴器で使用する空気亜鉛電池は「電圧の変化が少ない」「容量が大きい」といった特長を持っています。「聞こえ」は常に一定であることが望ましいので、電圧の変化が少ないことが理想です。また、補聴器は長時間装用することになるため、容量ができるだけ大きい電池のほうが安心です。そういった意味で、空気亜鉛電池は補聴器に最適な電池と言えます。

空気亜鉛電池にも、一般的な乾電池と同じように、いくつかの異なるサイズがあります。補聴器には数え切れないほどの器種があり、それぞれの機能や本体の大きさなどが異なります。そのため、使用する電池の大きさが異なっています。現在のところ、補聴器に使用される空気亜鉛電池は「10A(PR536)」「312(PR41)」「13(PR48)」「675(PR44)」の4種類があり、それぞれ大きさのほかに、表面に貼られている「シールの色」が異なります。自分が使う電池の大きさと、シールの色をしっかりと覚えておきましょう。

空気亜鉛電池の表面に貼られているシールは、種類を見分けるためだけに貼られているのではありません。このシールは電池を使用する前に剥がすのですが、それは空気亜鉛電池の「+側」の表面の小さな穴を塞ぐために貼られているのです。シールを剥がすと、小さな穴から空気が入り、電池の中の亜鉛が空気と反応して電気を作り出します。したがって、シールを剥がしてしまうと、使わなくても電池が減っていくことになります。また、シールを剥がしてからすぐは電圧が安定しないため、1分間程度時間を置いてから使用すると良いでしょう。

なお、使い終わった空気亜鉛電池は、セロハンテープを巻いて絶縁したうえで、補聴器を買ったお店などに持っていきましょう。販売店などに回収ボックスが用意されていれば、その中に入れてください。回収された空気亜鉛電池は、リサイクルされます。保管は常温常湿が最適ですので、直射日光、高温高湿の場所は避けて保管して下さい。また、冷蔵庫や乾燥剤での保管も不適です。低温および低湿度で保管すると動作時間が短くなります。従って冬の低温で乾燥した条件での使用は電池の寿命が短くなります。

補聴器と「聞こえ」について

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