言語の発達に影響するため、早期の発見と対策が必要です。

難聴は成人だけでなく、子どもにも現れるものですが、子どもの難聴は成人の難聴に比べてより深刻なものと受け止められます。その理由は、子どもが難聴になった場合、とくに年齢が低い場合は、音や会話が聞き取れないことが原因で言語の発達に支障を来すことがあるからです。また、学校生活などの場面で周囲の子どもとの関係が上手く行かないことも考えられます。子どもの様子を見ていて、言葉を覚えるのが苦手であったり、音への反応が鈍い、耳の病気がよくあるといった場合は、難聴である可能性があります。思い当たることがある場合には、早めに耳鼻科を受診して、子どものために対策を講じてあげる必要があります。

最初に挙げたように、子どもが難聴になった場合、言語の発達に支障を来す可能性があります。人間には、言語を習得する力が備わっていますが、ある一定の年齢に達すると、その能力は低下していきます。子どもの場合、言語の発達の重要なカギを握るのは聴力であり、いくら目から情報を得られても、言語を発達させることが難しくなります。さらに、言語の発達が難しくなると、思考力などにも影響が出る可能性もあります。実際に、程度の差はあるものの、難聴のために先生や友だちの言葉が聞き取れず、成績やコミュニケーションに影響が及ぶといったこともあるようです。そのようなことを防ぐためにも、子どもの難聴は早期の発見、対策が必要不可欠になってきます。

小さい子どもに補聴器を装用させることに抵抗があるかもしれませんが、早期に子どもの難聴を発見し、補聴器を装用させることで、言語能力や思考力の発達を促してあげることはとても大切なことと思います。また、補聴器を装用することで、周囲の子どもたちや学校の先生とのコミュニケーションが活発になることも期待できます。子どもの場合、成人とは違って補聴器の役目を理解することや、補聴器そのものに慣れるまでに時間がかかることも考えられます。子どもに補聴器が必要な場合は、できるだけ早めに補聴器を装用させ、周囲の協力やサポートを得られる環境を作ってあげることも大切です。

補聴器と「聞こえ」について

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