できるだけ早く装用するために、周囲のサポートが大切です。

難聴などの聞こえの問題は、年齢を重ねた大人だけの問題ではなく、子どもにも起こり得ることです。そして、その深刻度は大人の難聴に比べると、より大きなものになります。子どもの難聴は、言語能力や思考力のスムーズな発達を妨げることにもなりかねないからです。とくに乳幼児期の子どもの場合、本人が「聞こえにくい」という認識がはっきりせず、聞こえに関する支障を訴えることも少ないため、難聴への対応が遅れてしまうことがあります。言葉を発するようになるまで時間がかかっている、声をかけても反応が鈍い、コミュニケーションが上手く取れないなどの様子が見受けられるようなら、念のために耳鼻科を受診してみましょう。

耳鼻科を受診した結果、子どもの難聴が認められる場合は、その程度によって補聴器や人工内耳等が必要になります。言語の習得、思考力の発達のほか、周囲の子ども達との関係、学校での勉強などへの影響を最小限にするためにも、補聴器などによる聞こえのサポートを1日も早く活かすことが大切です。とは言え、「子ども用の補聴器があるのか?」という不安があるかもしれません。その点に関しては、さまざまなメーカーから子ども用の補聴器が販売されていますので、心配はありません。もちろん、子ども用の補聴器にも、大人用の補聴器と同様の機能・性能が備わっています。したがって、装用する子どもの年齢、聞こえの程度や耳の状態、使用環境などを踏まえて、最適な器種を選ぶことができます。

子ども用の補聴器のなかにも、耐久性や防水・防塵性能にこだわっているものもあります。それは、「補聴器を装用していること」によって、通常の学校生活を送ったり、友達と一緒に遊んだりするような場面で、できるだけ制約を受けないようにするために役立ちます。また、子どもに積極的に補聴器を装用してもらうために、カラーバリエーションを豊富にしたり、本体を小さくしたりするといった工夫をしているメーカーもあります。とくに、乳幼児期は言語の習得を最優先にしなければなりませんし、それが大切な子どもの未来のためでもありますので、できるだけ早めに装用できるよう、準備してあげることが大切です。

補聴器と「聞こえ」について

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