難聴の程度を知っておくことで、必要な対策が分かります。

ひとことで難聴といっても、その程度には個人差があります。補聴器を購入・装用することを検討する場合は、必ず聴力測定を受けてフィッティングすることが欠かせません。難聴の程度を正しく把握することで初めて、自分にぴったりの補聴器を選ぶことができるからです。実際に聴力測定を受ける前に、難聴の程度(レベル)について簡単に見ておきましょう。難聴の程度は、大きく「軽度難聴」「中等度難聴」「高度難聴」「重度難聴」の4段階にレベル分けされています。現在、自分がどのレベルにあるのかを把握しておくことは、補聴器の購入に役立つだけでなく、難聴がさらに進行しないように気を付けることにも役立ちます。なお、日本聴覚医学会では、難聴の程度を以下のように分類しています。

<軽度難聴> 平均聴力レベル/25dB以上-40dB未満
「会話が聞き取りにくくなったかな?」と感じるくらいのレベルで、通常の生活を送るのに大きな問題になることはないと思われます。小声で会話をすることを苦手に感じたり、何度も聞き返したりすることが増えているようなら、軽度難聴かもしれません。まだまだ補聴器の装用は不要と思われるかもしれませんが、この段階から補聴器を装用しておくことで、難聴の進行をゆるやかにすることもできます。

<中等度難聴> 平均聴力レベル/40dB以上-70dB未満
できるだけ近くで話をしてもらわないと聞こえない、テレビのボリュームを大きくしないと聞こえない、周囲の人が何を話しているのか分からないといった具合なら、中等度難聴の可能性があります。これまで通りに、日常生活を快適に過ごすためにも、補聴器の装用をおすすめします。

<高度難聴> 平均聴力レベル/70dB以上-90dB未満
近くにいる人の話し声を聞き取ることができず、耳元で大声で話しかけられないといけないような状態なら、高度難聴のレベルに達しています。日常生活のほとんどの場面で、聞き取りにくいことを感じており、何かと不安や不満がたまる状況になっていると思われます。ご家族などとのコミュニケーションを取るためにも、外出時の安全を確保するためにも、補聴器の装用をおすすめします。

<重度難聴> 平均聴力レベル/90dB以上
重度難聴まで進行してしまうと、聞こえる音は工事現場の騒音や電車の通過音、自動車のクラクションといった100dBを超えるような音に限られます。また、補聴器からの言葉の獲得は困難になります。まずは、医師の診察を受けることをおすすめします。

補聴器と「聞こえ」について

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