何らかの物体や空気などの振動が、音や声を発生させます。

耳の仕組みや難聴について見ていくにあたっては、「音や声とは何か?」を見ておく必要があります。簡単に説明すると、何らかの物体の振動が、空気などの振動として伝わってくるものが「音」になります。何らかの物が振動している間、振動によって空気には圧力が加わっています。その空気の圧力が変化することで、音の強弱や音の高さ、音色などが変化します。そして、私たちの耳に届く音は、空気中を1秒間に約340mという速さで空気中に伝わっていきます。この音が伝わる速さのことを、一般的に「音速」と呼びます。

また、私たちの耳に伝わる音にはさまざまな音がありますが、音の大きさは「dB(デシベル)」という単位で表されます。たとえば、小さな声は40dB、大声になると80dB程度。電車が通過する音や、工事現場の騒音などは100dB以上になります。85db以上の音を日常的に聞いているような場合、難聴の原因になるといわれていますので、日常生活ではできるだけ大きな音を避け、耳をいたわってあげることが大切です。

次に「声」ですが、声も当然ながら音の一種です。私たち人間の声は、喉の部分にある「声帯」と呼ばれる器官や口などを振動させて出す音ということになります。声も音の一種であるため、その強弱や高さなどが変化します。人間は声の強弱や高低などを巧みに変化させることで、言葉を話してコミュニケーションを取っています。

音や声には強弱や高低などの違いがありますが、人の耳は全ての音や声を聞き取ることはできません。一般的に、健康な人が聞き取ることができる音は、20Hz~20,000Hzという周波数の範囲といわれています。そして、人間は年齢を重ねていくにつれ、高音域から徐々に聞こえが悪くなっていきます。難聴になると、どこからどこまでの範囲の音が聞こえているのか?どのような音が聞き取りづらいのか?などを測定し、補聴器で聞こえない部分を補う必要が出てくる場合もあります。

補聴器と「聞こえ」について

ページトップへ