ゆっくり、はっきり、顔や目を見て話しかけましょう。

難聴は外見からは分からない問題です。難聴であることや、補聴器を装用していることをコンプレックスに感じている方、コミュニケーションが上手く取れないのではないかと悩んでいる方に対して、私たちはどのようなサポートを行うべきなのでしょうか。

まずは、難聴の方が苦手にしている場所やシチュエーションがあることを、理解してあげることが大切です。難聴の方の場合、特定の周波数の音が聞こえない、言葉を聞き分けることができないなどの問題があります。したがって、難聴の悩みを持つ方は、騒音がある場所や複数の人が同時に会話をするような場面が苦手なことが多くなります。ですから、コミュニケーションを取る場合には、できるだけ静かな場所へ行ったり、はっきりと話しかけてあげるといった配慮が必要になります。

補聴器を装用している方で、周囲ときちんとコミュニケーションが取ることができている方でも、やはり聞き取りにくい場面はあるはずです。「補聴器を装用しているから大丈夫」などという決めつけをせず、ゆっくり、はっきりと話をするように心掛けましょう。何度も聞き返されるようなこともありますが、そこは相手の気持ちになって、ていねいに対応することを忘れないでください。ゆっくり、はっきり話をしているつもりでも、分かってもらえないということもあるかもしれません。そのような場合は、相手の顔や目を見て話しかけたり、言葉の最後まではっきりと話すということも意識してみましょう。大きな声で話しかけるだけでは聞こえない場合もありますし、ゆっくりとしたスピードでは余計に聞き取りづらくなる場合もありますので、臨機応変に対応してみましょう。

「どうすれば想いや意図をきちんと伝えられるか?」そういったことを考えながら話をすることは、難聴の方への対応の場面にだけ必要なことではないはずです。いつ、どこで、誰と会っても、コミュニケーションの基本として欠かせないことです。必要なのは、ちょっとした思いやりと話し方の工夫なのです。

補聴器と「聞こえ」について

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