PART
05
全国1,000店舗と目指す眼鏡市場の未来

これまでのお話を総括すると、レンズとフレームを個別に磨きながらも、最終的には両者を高い次元で融合させ、新たな製品を生み出しておられるように感じました。冨澤社長は、これからの眼鏡市場をどう見据えますか?
これからの話の前に、これまでの眼鏡市場を振り返ると、私の父であり眼鏡市場の創業者である現会長の存在が重要です。創業者である父は、静岡市内で事業をスタートさせました。一番になりたい、という野心から「メガネトップ」という屋号を名乗り店舗数を拡大し、現在は「眼鏡市場」に屋号を変え、全国に1,000店舗以上展開しています。その背景には、さまざまな逆境がありましたが、人を惹きつける魅力を持ち、多くの出会いを力に変え事業を発展させていきました。


業界の中でもカリスマ経営者として名前を知られた人間だったと伺っています。そうした系譜を受け継ぐ立場として、冨澤社長のお考えはいかがですか?
私は自分が社長としてやっていく中で、理念を再作しました。「関わる皆の幸せを実現し、笑顔を創造します」という企業理念です。お客さまに対しては見える喜びやメガネとの生活を楽しんでいただきたいです。メガネにできるストレスフリーな生活の提供や、笑顔の創造、眼鏡市場があって良かったと思っていただけることを実現したいと考えています。


日本全国に1,000店舗以上のネットワークを持つ眼鏡市場なら、その理念を実現することも可能かもしれませんね。ビジョンを共有する上で、店舗スタッフをはじめとする従業員の方と、どうコミュニケーションをとっていますか?
店舗巡回の中でもよく伝えていますが、同志として従業員を見ています。私の実現したいことをお客さまへ伝えてくれる「代弁者」であり、実際に行動してくれる「パートナー」でもあります。同じ目線の中で同じ志を持ちながら、店舗という現場でパフォーマンスを発揮してくれる非常に貴重な存在です。


サプライチェーンを上手く活用し、社会変化に合わせたものづくりを大切にしながらも、一番重要なのは全国の店舗に理念を伝え、共有していくための高い統率力と機動力ですね。
レンズだって、個性を表現する
モノ・コト・ヒトの
価値を高めていく
一方で、店舗ごとの特徴も作っていくべきとも考えています。もちろん品揃えの面もそうですが、コト・サービスの拡充も検討しています。現在、メガネ選びをご支援する店舗サービスとして、「顔タイプ診断」や「パーソナルカラー診断」も実施しています。こうした付加価値サービスを提供できる人材の育成にも力を入れていきたいと考えています。お客さま一人ひとりへ、メガネのお買い物を楽しく自分らしくサポートしてくれる店舗スタッフこそが、全国1,000店舗以上ある私たちの強みだと思うのです。
レンズやフレームのようなモノの価値を高めるとともに、店舗スタッフでお客さまに選ばれる眼鏡市場でありたいと思っています。

お客さまのメガネ選びをサポートする店内サービス



従業員のモチベーションアップやスキルアップのための環境整備が、そのまま消費者への価値提供につながっていく仕組みは、同じ経営者の目線から見ても素晴らしいことだと思います。
お客さまが眼鏡市場へ来店される際、自分がどの眼鏡市場へ行くことが楽しいのか選べるようになっていく。店舗ごとの特徴を少しずつ高めていくことで、全国1,000店舗の強みに新たな側面が生まれてくると考えています。もちろん、経営的な収支バランスを全体で見ながらですが。


今回の全5回にわたる対談の中で、眼鏡市場さんの印象が大きく変わりました。街でよく見かけるけれども、私があまりメガネをかけないこともあって、そこまで身近に感じてこなかった眼鏡市場。これらは積極的に足を運んで、製品を試してみたいと思います。
ありがとうございます!
それぞれの社員が持つ夢の実現や幸せと感じる環境を整えながら、お客さまに何を提供していかなければならないのかを追求していく。そこに尽きると思っています。まずは日本国内で推進していますが、眼鏡市場は台湾にも出店しています。その先、グローバルに国と地域の方々の幸せの実現や、笑顔の創造へ拡張させていきたいとも考えています。
