眼精疲労とは、目の疲れや痛みだけでなく、頭痛や肩こりなどの全身症状も引き起こしている状態のことです。目の疲れを感じてもケアせずに放置していると、疲れ目が慢性化して眼精疲労になりやすくなります。
本記事では、眼精疲労の症状と原因の解説に加え、目の疲れや眼精疲労に効くツボを紹介します。日頃からこまめな疲れ目のケアをおこない、眼精疲労を予防しましょう。
for.R整体院院長/カイロプラクター/整体師
田中千哉
施術だけでなく、企業向けセルフケア講座の開催、ヨガスタジオや他院での機能解剖学指導など多方面で活動中。監修やTV出演多数。著書に『テレワーカーズ「1分」ストレッチ』(秀和システム)、監修書に『すごいストレッチ』(MdN)、『世界一気持ちいいストレッチ』(ワニブックス)などがある。
眼精疲労とは、目の疲れや痛みに加え、頭痛や肩こりなどの全身症状が出ている状態のことです。
慢性的な疲れ目(眼疲労)を放置して目の酷使を続けていると、ピント調節の役割を担う「毛様体筋」の緊張状態が続き、目に負担がかかり過ぎてしまいます。
毛様体筋の働きは、生命活動を維持するために必要な機能を調整する自律神経がコントロールしているため、目を使いすぎて毛様体筋が疲れると、自律神経のバランスが崩れて全身に症状があらわれると考えられています。
通常の疲れ目であれば休息や睡眠を取ることで回復しますが、眼精疲労になると休息や睡眠をとっても十分には回復しにくくなります。パソコンやスマートフォンなどのモニター画面の見過ぎ、ドライアイ、メガネやコンタクトレンズの度数が合わないなど、眼精疲労の原因は多岐に渡るため、病院で正確に原因を特定して治療介入することが必要です。
眼精疲労の症状と原因を解説します。症状リストに当てはまるものがないか、セルフチェックをしてみましょう。
眼精疲労の症状
眼精疲労になると、次のような症状が出ます。あてはまる症状がないかチェックしてみてください。
【目の症状】
● 目の疲れや痛みを感じる
● よく目がかすむ
● まぶしさを強く感じるようになった
● 目が充血している
● 目がしみたり重く感じたりする
● 目が乾く(ドライアイ)
● 目がしょぼしょぼしたり涙目になりやすい
● 目の奥の方が痛む
● まぶたが痙攣する
● 視力が低下した
● ピントが合いづらくものが見えにくくなった
【全身症状】
● だるさがなかなか取れない
● 頭痛、肩こりがある
● めまいや耳鳴りがする
● 気分が悪くなったり吐き気がしたりする
● 食欲不振になった など
これらに当てはまるものが多いと感じる場合は眼精疲労の可能性が高いため、眼科を受診して相談してみると良いでしょう。
眼精疲労の原因
眼精疲労の主な原因は、目の使い過ぎです。遠視や近視・乱視と言った屈折異常に伴って目に負担がかかったり、度数の合わないメガネやコンタクトによって毛様体筋の緊張状態が続いたりして疲れ目となり、放置すると眼精疲労を引き起こしやすくなります。
ほかにも、ドライアイや老眼、白内障、緑内障なども眼精疲労の原因となりやすいです。
また、近年では、パソコンやスマートフォンなどを用いて長時間の業務を行う機会も多く、VDT症候群(Visual Display Terminals症候群)の一環として眼精疲労を発症するケースも増えています。眼精疲労を予防するためにも、日常生活スタイルに注意を払って目の酷使を避けるようにすることも大切です。休んでもなかなか良くならない場合は、早めに眼科を受診しましょう。
自分でできる眼精疲労ケアとして、眼精疲労に効くツボを紹介します。デスクワーク中やスマホを長時間使用して目の疲れを感じたときにおすすめです。こまめなケアで目の疲れを溜め過ぎないようにしましょう。
ツボを探す際は、まずだいたいの位置がわかったら指の腹でそっと押すことがポイントです。そして少しずつずらしていき、ツボの周囲で気持ちが良いと感じる場所を押さえられていれば問題ありません。
奥の方にじんわりと力を浸透させるようなイメージで、気持ち良いと感じる強さで押すようにすると良いでしょう。
また、ツボを押す際の注意点として、強く押せば効くと言うものではありません。顔は脂肪や筋肉が少ない部分なので、強く押しすぎると身体へのダメージとなる可能性があります。さらに、目の近くなので目を傷つけないように注意してください。
オフィスワーカー必見!目の疲れに効くツボ「睛明」
「睛明(せいめい)」は、目頭と鼻の付け根の間にあるくぼみの部分です。視力回復、かすみ目、充血、目の痛み、頭痛、鼻水、鼻づまりの改善に効果が期待できます。ツボの押し方は次の通りです。
【ツボの押し方】
①まぶたを閉じて親指と人差し指で鼻根をつまむようにする。
②眼球を押さないように、鼻の骨に向かって押す。
③息を吐きながら5秒かけてゆっくり押して、息を吸いながら5秒かけてゆっくりゆるめる×5セットおこなう。
まぶたを閉じて、指の腹でゆっくりと小さく円を描くように10秒程度押しても効果的です。
ドライアイに効く!目が乾燥したときのツボ「魚腰」
「魚腰(ぎょよう)」は、黒目の真上で眉毛の真ん中あたりにあるくぼみです。長くパソコンやスマホを見ているとジンジンしやすい場所で、目につながる神経が表皮近くまで来ているところです。ドライアイ、まぶたのひきつり、腫れ、目の充血、頭痛の改善に効果が期待できます。
【ツボの押し方】
①まぶたを閉じて、指の腹を眉の少し下から上の方に向けてツボに当てる。
②息を吐きながら5秒かけてゆっくり押して、息を吸いながら5秒かけてゆっくりゆるめる×5セットおこなう。
眉をほぐすように小さな円を描くイメージで10秒押すのも良いでしょう。また、眉頭や眉尻の方にもツボがあるので、眉毛をつまんで全体をほぐすのも効果的です。
頭の重さや首や肩のコリに「天柱」
「天柱(てんちゅう)」は髪の生え際、首の中央にあるくぼみ(ぼんのくぼ)の両サイドにある筋肉の外側にあるツボです。髪の生え際の部分には、「後頭下筋群」と言う細かい筋肉があり、天柱のツボはこの筋肉上にあります。「後頭下筋群」は目の動きと関係するため、目の疲れによって固まり、首こりの原因となります。
天柱は目の疲れ、充血、頭痛、首肩こりが気になるときに押すと良いツボです。頭部の血行促進にもつながるため、「頭がなんとなく重い」「ぼーっとする」「肩や首がなんとなくつまっているようなコリを感じる」といったときにおすすめです。自律神経の安定にもつながります。
【ツボの押し方】
①天柱の位置にそれぞれ親指の腹を当て、頭を包み込むように手を置く。
②そのまま少し上を向くように頭を後ろに傾ける。
③息を吐きながら5秒かけてゆっくり押して、息を吸いながら5秒かけてゆっくりゆるめる×5セットおこなう。
ポイントは頭の重みを利用して押すことです。バレーボールのトスをするときの手の形をイメージすると良いでしょう。また、中指と薬指の腹をツボの位置に当て、少し上を向きながら頭頂部を目がけて押すのも効果的です。
デスクワーク中に!首や肩が固まったときのツボ「風池」
「風池(ふうち)」は髪の生え際、耳の後ろにある出っぱった骨から少し中央に寄ったところにあります。凹んでいて、触れたとき指が沈むところにあるツボです。天柱のツボの位置からは指1本外側、やや上方にあります。
眼精疲労や首・肩のコリ、頭痛、めまい、耳鳴り、鼻炎、不眠、風邪のひきはじめにも効果が期待できます。デスクワークなど、長時間一定の姿勢でパソコンの画面を見ていて首が固くなり、目の疲れが増している場合におすすめです。
押し方は天柱と同じです。天柱を押した後に指一本分外側、やや上方に指を移動して押すと良いでしょう。
【ツボの押し方】
①風池の位置にそれぞれ親指の腹を当て、頭を包み込むように手を置く。
②そのまま少し上を向くように頭を後ろに傾ける。
息を吐きながら5秒かけてゆっくり押して、息を吸いながら5秒かけてゆっくりゆるめる×5セット。
ポイントは、天柱と同様に頭の重みを利用して押すことです。こちらも中指と薬指の腹をツボの位置に当て、少し上を向きながら頭頂部を目がけて押すのも効果的です。
頭が痛い…眼精疲労からくる頭痛に効くツボ「太陽」
「太陽(たいよう)」は、眉尻と目尻を結んだ線の中央からやや後ろのくぼんだところにあります。
太陽は眼精疲労で頭痛がするときにおすすめのツボで、目の周辺の血流を良くして目の疲れを回復してくれます。また、ドライアイやめまいの予防にも効果が期待できます。押す角度を変えながら、効いていると感じられるところを探してみると良いでしょう。
【ツボの押し方】
①まぶたを閉じてツボに指の腹を当てる。
②息を吐きながら5秒かけてゆっくり押して、息を吸いながら5秒かけてゆっくりゆるめる×5セットおこなう。
まぶたを閉じてツボに指の腹を当て、ゆっくりと小さく円を描くように10秒押す方法もあります。
運転時の休憩に!見え方を明るくするツボ「光明」
「光明(こうめい)」は、「目が明るくなる」と言う意味の特効穴で、目の周りの血流量が増えると言われているツボです。足のくるぶしから親指の横幅5本分くらい上にあります。
ドライブで目がショボショボしたり、光が眩しく感じられたりするときに押してみると良いでしょう。その名の通り、目の見え方が明るくなったり、光に対する感受性を和らげる効果があります。足の痛みや痺れにも良いため、長時間ドライブの休憩時におすすめです。
【ツボの押し方】
①親指をツボに当て、息を吐きながら5秒かけてゆっくり押し、息を吸いながら5秒かけてゆっくりとゆるめる。
②①を5回繰り返す。
ツボを押す際は親指ではなく、反対側のかかとで押しても構いません。
画面に集中していて目のかすみや痛みを感じたら「攅竹」
「攅竹(さんちく)」は、眉頭の少し下のくぼみにあります。かすみ目や目の疲れ、目の痛みや頭痛、頭重感、鼻づまりなどが気になる時に押すのがおすすめです。
【ツボの押し方】
①左右のツボに親指の腹を当て、優しく下から押し上げるように押す。
②息を吐きながら5秒かけてゆっくり押して、息を吸いながら5秒かけてゆっくりゆるめる×5セットおこなう。
ちょうど眉間にシワが寄って凝る部分なので、集中していてグーっと眉間に力が集中してしまったときはゆっくりと押してほぐすと良いでしょう。最初は痛みを感じるかもしれませんが、我慢できる範囲で押していると和らいでいきます。
メガネの度数が合っていないと、ものを見るときにピントを調節する「毛様体筋」に負担がかかり、目が疲れやすくなります。
疲れ目を放置すれば眼精疲労につながるため、度数が合わないメガネは作り変えることがおすすめです。今の自分の視力や目の状態に合った度数にすれば、目の疲れを軽減できるでしょう。ここでは、メガネを新調する際におすすめのメガネを紹介します。
また、メガネを新調するなら、目が疲れにくいサポートレンズという種類のレンズにすれば、より眼精疲労の予防に効果的です。
目が疲れにくいサポートレンズ関連を見る
FFT-067
おすすめポイント
● 超軽量で弾力性の高い樹脂「ウルテム」を使用
● どの顔型にも似合いやすいボストン型
● クリア素材のフレームで軽やかな印象を演出
超軽量で弾力性のある樹脂素材を採用し、軽さとずれにくさを兼ね揃えた作りで驚きのかけ心地を叶えた「FREE FiT(フリーフィット)」のメガネです。側頭部と顔を締め付けないような作りになっており、長時間の使用も快適に過ごせます。
カラーバリエーションは肌なじみの良い落ち着きのあるアースカラーなので、オフィスでもかけやすい1本です。超弾性樹脂のウルテムを使用し、クリア素材ならではの軽やかな印象を与えます。
詳細情報
サイズの目安 | ふつう |
---|
フレームの形 | ボストン |
---|
レンズ横幅 | 52mm |
---|
間隔(鼻ブリッジ) | 18mm |
---|
テンプル | 140mm |
---|
天地幅 | 40mm |
---|
カラー | ローズブラウン/デミブラウンマット/キャメル/ミントグリーン |
---|
商品詳細を見る
ZEG-S013
おすすめポイント
● 一日中かけていてもストレスフリーな軽さとしなやかさ
● 柔和な印象を与える丸みのあるスクエア型
● 細部までこだわったすっきりとクラシカルなデザイン
「ZEROGRA(ゼログラ)」は、1日中メガネをかけることが多いメガネユーザーに向け「ストレスフリーのフレーム」を提案しているブランドです。これまでにない軽さとしなやかさで、メガネをかけているのに、かけていないような無重力感を実現しています。それに加えて、細身のデザインからは想像できないほどの驚くべき丈夫さも両立させました。
ZEG-S013は丸みのあるスクエア型で、知的さも柔和さも兼ね備えたデザインになっています。裏から見てもすっきりとしたデザインに仕上げているフロントとテンプルの留め方には、細部までこだわりを感じさせます。
詳細情報
サイズの目安 | 小さめ |
---|
フレームの形 | スクエア |
---|
レンズ横幅 | 50mm |
---|
間隔(鼻ブリッジ) | 17mm |
---|
テンプル | 140mm |
---|
天地幅 | 34mm |
---|
カラー | グレー/ブラウン/レッド |
---|
商品詳細を見る
NOF-211
おすすめポイント
● テンプルが短めで顔のサイズが小さめの人もかけやすい
● どんなシーンでもマッチしやすいオーバル型でクリア感のあるフレーム
● 鼻への重量負担を軽減した設計
多くのメガネユーザーが感じている「鼻に感じる重量感」や「鼻に残るメガネの跡」など、装着ストレスから解放をさせるメガネであることを意味する「nosefree」。モダンの先(耳の後ろ)にあえて「おもり」を付けることで、鼻への重量負担をおよそ20%軽減しました。鼻と耳にかかる重量の黄金比率を計算し、手に持った時よりかけた時の方が軽く感じるメガネです。
カラーバリエーションは、シーンを問わずにかけやすいブラウンや華やかさを感じるパープル、シックなグリーンの3種類です。フロントは樹脂、テンプルはチタン素材のコンビフレームとなっており、正面と横顔での印象が変わります。
詳細情報
サイズの目安 | ふつう |
---|
フレームの形 | オーバル |
---|
レンズ横幅 | 52mm |
---|
間隔(鼻ブリッジ) | 16mm |
---|
テンプル | 148mm |
---|
天地幅 | 33mm |
---|
カラー | ブラウン/パープル/グリーン |
---|
商品詳細を見る
眼精疲労は、疲れ目を放置して目を使い過ぎる状態が続き、その結果、休んでも取れないような全身の不調へと発展した状態です。そのため、眼精疲労を予防するには疲れ目が慢性化しないよう、疲れ目を癒す日頃のこまめなケアが大切です。
目の疲れを感じたら、本記事で紹介したツボを押してみましょう。また、1時間に1回、5分程度まぶたを閉じて休めたり、ときどき遠くのものを眺めて目をリラックスさせたりするのもおすすめです。
普段かけているメガネの度数が合わなくなってきていると感じる場合は、目の疲れが酷くなる前に視力検査をしてみるのも良いでしょう。今の視力に合った度数で、自分の見たい範囲や使用環境に適したメガネにすれば、目の毛様体筋の負担を軽減できます。なお、全国の眼鏡市場では、メガネ購入の有無に関わらず無料で視力検査が受けられます。気になる方は利用してみると良いでしょう。
(※気になる場合は、眼科医の受診をおすすめします)
眼鏡市場の視力測定
日頃から目の疲れを溜め過ぎないよう心がけ、眼精疲労を予防しましょう。