
2024年、メガネ業界は幾年か振りのメジャートレンド返り咲きに沸いている。クラシカルなメガネがトレンドに鎮座を続ける一方で、カラーレンズや調光レンズなどレンズをフックにメガネのニーズが拡大。日本では韓国アイドルが火つけ役となったツーポイント(フチなし)タイプを筆頭に、DIME世代にはどこか懐かしく感じられるような、ダブルブリッジ、単式跳ね上げといったフレームが、Z世代を中心に新たなトレンドとして芽吹いたのだ。
メガネを販売する現場に立つセールススタッフは、この変調期の兆しとも呼べる現状を、どのように眺め、そして次のトレンドをどのように見据えているのか?
全国1060店舗を構える店舗数No.1の眼鏡市場の中でも、屈指の集客率を誇る人気3店舗の店長が〝ネクストブレーク間違いなし〟のメガネを持ってスタジオ入り。2025年ヒット当確モデルの傾向を読み解く。
クラシックが盤石の中、形は丸からスクエアへ移行中!?

左から)関川敬宏さん/渋谷店 店長。推しは、オードリーと山田裕貴のオールナイト日本を聴くこと。
太田誓志さん/新宿東口本店 店長。オールタイムベスト映画は『フォレスト・ガンプ/一期一会』。
吉瀬泰輝さん/池袋東口本店 店長。1歳になるわが子の成長を見守ることが趣味と話す一児の父。

トレンドの揺り戻し!?進化した中太フレームが人気再燃!

左から)メタル素材のスクエアはGUCCI Eyewear『GG1678O-3』、セル素材のスクエアWAVES OPTICALの『WOP-004』、メタルフロントのワンブリッジはTHE BEDFORD HOTEL『BFH-23』。

実は、2024年はテレビジョンカットを採用する海外ブランドが相次ぎました。眼鏡市場でも満を持して投入したという感じです。なぜ感度の高い日本のお客様がテレビジョンカットを注視するかというと、いわゆるクラシックフレームは、海外のフレームをデザインソースにしているからなんです。
欧米とアジアでは頭の骨格が異なりますから、顔幅が狭くないと快適にかけられない。加えて、クラシックフレームは、年々フレーム幅が細くなる傾向がみられます。そこでトレンドの逆張りとして、ボリュームのあるフレームを探している方に『WOP-004』のようなスクエアフレームは、刺さるのではないかと読んでいます。

若者のトレンドを逆手に取った〝逆張り〟クラシックに大注目

左から)THE BEDFORD HOTEL『BFH-23』、セル素材のウェリントンはTHE BEDFORD HOTEL『BFH-25』、メタル素材のラウンドはZEROGRA『ZEG-C01』。



例えば、クラウンパント(フロント上部が直線上にカットされ、下部は丸みを帯びたスタイル)を、最近よく見かけると感じている方は多いと思います。『BFH-23』はそのちょっと先じゃないですかね。自己表現できるメガネを求めている方はコレ。そしてちょっと挑戦したいという方が、ようやくクラウンパントに手を伸ばそうというタイミングなのだと思います。

軽さ、掛け心地に続く、第3の付加価値とは?

左から)メタルと樹脂を組み合わせた異素材MIXのサーモントはCotori『cot-1001』、プラスチック素材のウェリントンはi-ATHLETE『IA-R02』、メタル素材のヘキサゴンはZEROGRA『ZEG-S001』。

それが「キズ回復」です。

2025年はクラシカルをベースに〝細め〟と太め〟の二極化が進む!

取材・文/渡辺和博 撮影/藤岡雅樹