DIME × 眼鏡市場

DIMEが聞いた!10年に1度の技術革新〝人に合わせるレンズ〟とは?これからのストレスフリー遠近の話をしよう!

vol.10 遠近両用レンズ編

視力低下は誰にでも起こる生理現象のひとつ。目の老化現象である〝老眼〟は最たる例だ。視力が悪くなった状態は、いくつかの症状にわけられる。遠くの対象物が見づらくなる〝近視〟、近くの対象物が特にボヤけて見える〝遠視〟など、それぞれの症状・程度に合わせたレンズを使うのが一般的な対処法なのだが、それに輪をかけるように40代前後から老眼の兆候が現れ始めるから厄介だ。

この目の老化現象によって、近くのものにピントが合わず、本やスマホなどの細かな文字が見づらくなる。そこで「累進レンズ」が重宝されている。

累進レンズとは、〝遠用×近用〟〝中間(距離)用×近用〟といった1つのメガネで2つの距離にピントを合わせて不具合を解消するマルチフォーカスレンズのこと。利便性の高いレンズではあるが、使用感に影響する構造上の欠点があり、それが購入者の累進レンズ離れを引き起こす原因のひとつとなっているという。

この永遠の課題に対して眼鏡市場は新たな解決策を提示した。ロングセラーの遠近両用レンズ『ストレスフリー遠近』のリニューアルだ。2023年9月、より快適に使える画期的な遠近両用レンズとして、新たな『ストレスフリー遠近』を全国の店舗にて提供を開始した。

累進レンズの欠点とは何か?そして『ストレスフリー遠近』はどのような進化を遂げたのか?レンズの企画・開発などを指揮する、商品本部・商品部マネージャー、積木大輔さんに話を聞いた。

『ストレスフリー遠近』を老眼大国・日本のスタンダードに!

――2016年から提供している『ストレスフリー遠近』は、ハイスペックな設計でありながら追加料金0円という優れたコストパフォーマンスを実現し、高い評判を得ていた累進レンズでした。今回リニューアルへ踏み切った理由を教えてください。

すでにご存じかと思いますが、日本は世界一の老眼大国です。日本に住む50歳以上の人口は約5600万人。約77%にあたる4300万人がメガネを着用し、そのうち約1720万人が遠近両用や中近両用といった累進レンズを愛用しているといわれています。

「50歳以上の累進レンズユーザーは約40%もいるのか!」と驚かれるかもしれませんが、そうではありません。老眼は生理現象であるにもかかわらず、たった4割にしか累進レンズの有用性を伝えられていないのです。

遠近両用レンズユーザーの約25%が使用感に不満を抱いており、購入者の約17%が遠近両用レンズの使用を断念してしまうというデータもあります。

遠近両用メガネを作ったことがない方々が挑戦しやすい環境を作ること。そして、購入後の不満を解消する快適なレンズを提供すること。今回のリニューアルの狙いは、この2つの課題解決にあります。

〝レンズが人に合わせる〟日本初の設計とは?

――約25%の既存ユーザーが抱える不満とはどのようなものなのでしょうか?

遠近両用レンズは、1枚のレンズで、遠くから近くまで見えるように設計されているレンズです。レンズ上部に遠くの距離にピントを合わせた遠用、下部に近くの距離にピントを合わせた近用と、異なる度数で構成されています。簡単にいえば、1枚のレンズの中に、遠く用と近く用のレンズが半分ずつ入っているイメージですね。

単焦点レンズと比べて上部には遠く用、下部には近く用と2つの度数が入っていますから、近くを見るときは目線を下げる、もしくは顎を少し上げて下を見るような動きが必要になります。横目で見ると、遠近両用レンズ特有の歪みが視界に入るため、違和感を感じる方もいらっしゃいます。

従来の遠近両用レンズは使用者の中には、使っていくうちに徐々に慣れてから、快適さを実感できるということも少なくなかった。この順応するまでのステップを平易にすることで、より扱いやすいレンズになるのではないか。そこで〝レンズが人に合わせる〟という新しいコンセプトを掲げて開発したのが、2023年登場の遠近両用レンズ『ストレスフリー遠近』だったのです。

――これまでの『ストレスフリー遠近』とはどのような特性を持ったレンズだったのでしょうか?改めて教えてください。

正常な状態の正視、近視、遠視など、目の見え方を示す表現がありますが、人によって見え方の程度は異なりますし、視界の広さ、アイポイント(黒目の高さを表す数値)、目線を動かす幅も個性と同じく、一人一人異なります。

リニューアル前の『ストレスフリー遠近』は、オーダーメイドでユーザーの見え方を最適化し、遠くの視野が広くて慣れやすい設計を目指したレンズです。

非常に画期的な遠近両用レンズでしたし、今でもお客様にご満足いただける品質維持をしていますが、実は眼鏡市場は、遠近両用レンズを業界で一番多く売っている店舗です。いい意味でも、悪い意味でも、たくさん失敗を重ねてきましたし、それ以上にたくさんのお客様の声に耳を傾けてきました。

2023年9月から全国で販売を開始した新しい『ストレスフリー遠近』は、そうした経験を踏まえたうえで〝レンズが人に合わせる〟というコンセプトを実現した、革新的な遠近両用レンズであると自負しています。

――眼鏡市場の遠近両用レンズは追加料金0円ですから、いわゆる標準的なレンズを提供していると思われているお客様は多いでしょうね。でも、実際は一般的に3~4万円のオプション料金がかかりそうな高機能レンズを提供していたのだから、遠近両用レンズの販売枚数日本一であることも納得できます。
すでに完成された感のある『ストレスフリー遠近』に、どのようなアップデートを施したのでしょうか?

先ほど申し上げたとおり、全国1000店舗を超える眼鏡市場では、日々たくさんのお客様からメガネに関する困りごとの相談を承っております。様々な声があるなかで、私たちが今回新たに着目したのが〝目の年齢に合わせた設計〟なのです。

この機能を加えた遠近両用レンズを提供するのは日本初。開発にご協力いただいたレンズメーカーの担当者様からは「10年に一度の革新的なレンズ」というお墨付きをいただいております。

遠近両用レンズに対する悩み事は年齢によって変化する

――視力は年を重ねるたびに低下するものだと、先ほど伺いました。具体的にどれほどの違いが出るのでしょうか?

読書を例にとりましょう。個人差はありますが、30歳の方は本との距離が14㎝ほどあればピントを合わせられるのに対して、60歳になると100㎝離さないとピントが合わなくなります。

そこで、これからの『ストレスフリー遠近』は、既存の視力による見え方を最適化する設計に加え、目の”年齢別”に視線移動を最適化する設計を新たに加えました。
目の年齢が高い方には、目を動かす量を減らして近くが見やすいように。目の年齢が低い方には、視線移動の違和感をなるべく感じさせないように。遠近両用レンズ最大の不満である「視線の使い方に慣れない」問題を解決する為に、目の年齢に合わせて一枚一枚、遠くから近くにかけての度数の変化量を最適化することで、“レンズが人に合わせる”というコンセプトを実現しました。

目の年齢計測は眼鏡市場以外でも実施していますが、私たちのように機能に落とし込んだ遠近両用レンズを提供しているケースは聞いたことがありません。納得する品質に仕上げるまで約4年を費やしましたが、これまでにない機能を創出できました。

これからの『ストレスフリー遠近』は視線のクセにフィットするから心地いい

――さらにハイスペックに進化した、これからの『ストレスフリー遠近』も追加料金0円。全国発売前にテストマーケティングを実施したと伺いました。お客様の反応はいかがでしょうか?

非常に手ごたえを感じました。

静岡県内30店舗で行なったテストマーケティングでは、遠近両用レンズに興味を持たれた方から、従来の遠近両用レンズ、これまでの『ストレスフリー遠近』を含めたユーザーの方まで、さまざまなお客様にお試しいただきました。

感想を伺いますと、何と全体の約98%の方から「遠近両用レンズとは思えないほど、自然に使える」「これまでの不満を感じない」といった高評価を得ています。

眼鏡市場ではお客様のメガネの買い替え周期に合わせて、2~3年おきに商品のアップデートを行なう慣例なのですが、『ストレスフリー遠近』は誕生7年目にして初のリニューアル。とにかく、従来の遠近両用レンズと比べて振れ幅の大きな変化を感じていただけること、快適さの実感値の高さにこだわりました。

これからの『ストレスフリー遠近』は、これまでと変わらず追加料金0円。薄型・超薄型が選べ、紫外線を99%遮るUVカットと汚れが付きにくく、ふき取りやすい防汚・撥水コート加工を標準装備するなど、コスパの面でもご満足いただけるはずです。遠近両用デビューに、また新定番として、ぜひお試しください。

まるで単焦点レンズ感覚!?新旧『ストレスフリー遠近』ユーザーのホンネを直撃

oggi.jpのディレクターであり、編集・ライターである長谷川幸代さんは、遠近両用ユーザーのひとり。しかも、眼鏡市場の旧『ストレスフリー遠近』を愛用していた。そこで長谷川さんに、新しくなった『ストレスフリー遠近』を着用いただき、使用感の違いを伺った。

――新しい『ストレスフリー遠近』を1週間ほど試していただきました。早速ですが、使用感の違いは感じられましたでしょうか?

本当にラク!こんなに違うものなんだって感激したくらいです。

旧『ストレスフリー遠近』も良いレンズだと聞いていたし、一般的な遠近両用レンズとかけ比べた時に「視界が広く感じるし、快適だな」と感じましたけど、単焦点レンズのように1日中かけ続けるのはちょっと辛いなと思うこともあって。

いつものメガネと同じ感覚で、目線だけでモノを追うと視界の端が歪むんですよね。その時は「あぁこれがよく耳にする累進レンズならではの歪みか」なんて思いましたけど、遠くを見るときは遠用の部分を使うじゃないですか。

〝おじいさん掛け〟って私は呼ぶんですけど、運転中は遠用をメインで使えるようにメガネをちょっと下にズラしてかけるんですね。それがやっぱり面倒で、ブツブツ言いながら運転していたんです(笑)。

でも、新しい『ストレスフリー遠近』は期待を超えた感じがします。

――確かに。『ストレスフリー遠近』に限らず、遠近両用は慣れるために試用期間を設ける必要があるといいますからね。

そう。お店のスタッフさんのアドバイスのとおり、クルマの運転で使う前に1週間くらい自宅で練習掛けしたんだけど、サイドミラーを見たときに目線だけで景色を追うと歪むのよ。だから、顔ごと動かさなくちゃいけなくて、これはこれで慣れないとちょっと危ないなぁと思って。

だから、これからの『ストレスフリー遠近』に替えて初めに感激したのは、目線で景色を追っても歪みがほとんど気にならないことでしたね。

編集作業中に細かい文字を確認するときに、顔を動かす動作はいらないからラク。単焦点レンズの感覚で、すごく自然に使っていられるんですよ。これなら1日中ストレスなくかけられますよね。

この新しい機能を追加した高機能な遠近両用レンズを提供しているのは、眼鏡市場だけなんでしょ?しかも、追加料金無料なんだよね。これが国民のスタンダードになったら、ほかのお店はたまらないよね、絶対(笑)。

取材・文/渡辺和博 撮影/坂下丈洋(BYTHEWAY)

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ビジネスパーソンのためのライフハックマガジンとして1986年に創刊したDIME。
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