メガネを作るとき、メガネの処方箋が必要なのか気になっている人もいるのではないでしょうか。本記事では、メガネの処方箋について詳しく解説します。
メガネの処方箋をもらったほうがよい人とその理由、処方箋の見方や留意しておきたいこと、メガネを作るときの流れなどを解説します。おすすめのメガネも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

アイリスター麻布クリニック院長
西之原 美樹先生
東京大学附属病院で研修後、東京逓信病院に勤務。2004年アイリスター麻布クリニックを開業。1万人以上の高校野球球児や野球選手、サッカー選手などアスリートの視力機能の向上に携わっている。目から身体全体の健康に関するアドバイスも行う。
日本眼科学会 / 日本レーザー治療学会
日本麻酔科学会 麻酔科標榜医 / 日本美容外科学会
日本ペインクリニック学会 / 日本抗加齢医学会員 / 産業医 等
メガネの処方箋とは?

メガネの処方箋とは、眼科医が患者に目の検査を行い、メガネによる視力矯正が必要だと判断した場合に発行する書類です。
メガネの処方箋には、目の状態に合ったメガネを作るために必要な「度数」が記載されています。「度数」とは、視力矯正に必要なレンズの強さを表した数値です。対して、「視力」は目そのものの見える力を示す数値です。
処方箋を見れば、近視や乱視の有無や程度などもわかるようになっています。発行されたメガネの処方箋を持ってメガネ店に行けば、処方箋に基づいてメガネを作ることができます。
処方箋がなくてもメガネは作れる?準備するメリットや処方箋が必要とされる人

メガネを作る際、処方箋は必ずしもなくてはならないものなのか、処方箋をもらったほうがよいのはどのような人なのかを詳しく解説します。
メガネは処方箋がなくても作れる
メガネの処方箋は必須ではありません。眼科医の処方箋がなくてもメガネを作ることは可能です。
メガネ店には、視力を測定するための機械があります。この機械を使い、店内で視力測定を行うと必要なデータを計測できるため、処方箋がなくてもメガネを作れます。
ただし、メガネ店で計測できる視力データは、メガネを作るための基本的な項目のみとなり、詳しい目の検査はできません。
メガネの処方箋を作成するメリット
眼科で目を調べることで、目の内部の状態がわかります。また、目の表面に傷がないか、病気がないかなども眼科医から診断してもらえます。
目の健康状態や眼病の可能性など詳しく確認した上で、治療が必要な状態なのか、いわば目薬などで解消するのか、メガネを作らないといけない状態なのか医師の診断を仰ぐことができます。
眼科で処方箋をもらったほうがよい人
メガネは処方箋がなくてもメガネ店で視力を測定すれば作れますが、眼科で目の状態を調べてもらった上で、メガネを作ったほうがよい場合があります。
子どもや初めてメガネを作る人、乱視や老眼が進んで今のメガネが合わなくなった人は、眼科で目の状態をみてもらうとよいでしょう。それぞれ理由を解説します。
子ども
子どもの目は、近くを見ようとしていると、目のピント調節を行う毛様体筋が常に緊張してしまい、近視状態になることがあります。この状態を調節緊張症といい、点眼薬で緊張状態を緩める処置をすれば視力が戻る場合があります。点眼薬で視力が戻れば、メガネは不要です。
また、幼い子どもの場合、近視以外にも視力低下の原因が考えられます。たとえば、早期発見が望まれる遠視や不同視、斜視などが挙げられます。これらは眼科で特殊な薬を使った検査を受ける必要があるため、子どもの視力低下の原因が気になる人は、眼科で調べてもらいましょう。
眼科では、点眼薬を使用して目の緊張をほぐしてから検査をしたり、年齢や状態に応じて適切な視力測定方法を提案してくれたりするため、幼い子どもでも測定できますが、成長期なので短期的に視力が変化する場合があります。体も大きくなると目も大きく成長しますので、目の状態も変化します。定期的に眼科を受診することをおすすめします。
初めてメガネを作る人
年齢に関わらず、メガネを初めて作る人は自分の眼の状態を確認するために、眼科受診することをおすすめします。
眼科でメガネの処方箋を発行する際は、視力検査だけでなく目の健康状態を診察し、細かな検査も実施します。眼科医の診察によって、自分では気付いていなかった目の病気が発見できる場合もあります。
たとえば、急な視力低下を感じてメガネを作ろうと思ったけれど、診察を受けてみたら単なる視力低下ではなく、目の病気によるものであったというケースも考えられます。眼科医による診察や細かい検査を受ければ、眼病の早期発見や治療、予防にもつながるでしょう。
乱視・老眼が進んで今のメガネが合わないと感じる人
乱視や老眼が進んで「見えにくくなった」「今のメガネが合わなくなってきた」と感じる人も、眼科医による診察をおすすめします。視力低下の原因に、目の異常や眼病が隠れていないかを確認するため、眼科を受診することが望ましいです。
「最近疲れているから」「パソコンを長時間見て作業していたから」「もう老眼の歳だから」などと自己判断をせず、別の病気が隠れていないかを眼科で確認してもらいましょう。
メガネの処方箋を作成してもらう際に留意したいこと

メガネの処方箋を発行してもらうためには、眼科医の診察を受ける必要があります。初診料などかかる金額については、事前に眼科に確認して受診しましょう。また、眼科とメガネ店の両方に行くため、そのぶん時間と手間がかかります。
眼科で発行してもらったメガネの処方箋には、通常の薬の処方箋と同様に有効期限があります。有効期限は、医師の判断の元で設定されますので確認を行いましょう。
有効期限がすぎた処方箋では、その処方箋に基づいたメガネを作ることはできません。時間の経過とともに視力や度数、目の状態も変わるため、処方箋を発行してもらったら早めにメガネを作成しましょう。
【処方箋あり・なし】メガネの作り方

眼科で処方箋をもらってメガネを作る場合と、処方箋なしでメガネを作る場合の流れを解説します。
処方箋を作成してもらう場合
処方箋をもらってメガネを作る場合の主な流れは次の通りです。
1. 眼科を受診し、目の状態の確認と視力の検査を受ける
2. 処方箋を発行してもらう
3. 処方箋を持参してメガネ店へ行く
4. 処方箋に従ってメガネを作成してもらう
まず眼科を受診し、目の状態の確認や視力の検査を受けます。医師の診察があるため、場合によっては目の疾患が発見されることもあります。近視、遠視、乱視などの屈折異常、斜視などの眼位異常の程度なども詳しく調べ、メガネの処方箋を発行してもらいます。
その後、処方箋を持ってメガネ店へ行き、処方箋に書かれた指示に合わせてメガネを作成してもらう流れです。
メガネ店で視力を測定する場合
処方箋なしでメガネを作る流れは、次の通りです。
1. メガネ店へ行く
2. メガネ店で視力測定を行う
3. フレームやレンズを選びメガネを作成する
直接メガネ店へ行き、店頭で視力測定をします。視力測定で測定した度数をもとに、レンズのグレードとフレームを選び、メガネを作成します。
メガネ店のみでメガネを作る場合、目の疾患や詳しい状態についてはわかりませんが、視力測定からフレームとレンズ選びまでをワンストップで行えます。
メガネの処方箋の見方

メガネの処方箋には、眼科で測定したさまざまな目のデータが記載されています。「せっかくもらったけれど見方がよくわからない」という人もいるでしょう。
記載内容がわからなくても、メガネ店へ持って行けばデータに基づいてメガネを作成してもらえますが、見方がわかれば自分の目の情報を把握できます。処方箋の見方を、項目ごとに見ていきましょう。
① FOR DISTANCE(遠用)
「FOR DISTANCE」には、遠くを見るための度数が記載されています。近視や遠視の人の日常用メガネ作成に用いられる数字で、用途によっては中間距離用のメガネ作成の度数が記入されることもあります。
「Distance」や「常用」という表記になっていることもあり、「R」は右目、「L」は左目を指します。
② FOR READING(近用)
「FOR READING」には、老眼(老視)用のメガネを作成するために必要な度数が記載されています。
ものを見る際にピントを合わせる目の調節機能が低下して見えづらさを感じる場合に、読書・パソコン作業などの手元周辺を見えやすくするための度数です。遠用と同じく、「R」は右目、「L」は左目を指します。
③ P.D.(瞳孔間距離)
「P.D.」とはまっすぐ前を向いた状態での、両目の瞳孔の間の距離を指します。
場合によっては、顔の中心から左右それぞれの目の瞳孔までの距離が記載されていることもあり、この場合、左右が同じ距離とは限りません。距離はミリ単位で記載されます。
④ SPH.(S、Sphere、球面)
「SPH.」は、近視と遠視のレンズ度数のことです。単位は「D(ディオプトリー)」であり、0.25刻みです。度数が必要ない場合は「0.00」と記載され、数字が大きいほど度数が強いことを表します。
数値の前に「-」か「凹」があると近視、「+」か「凸」があると遠視であることを示しています。
⑤ CYL.(C、Cylinder、円柱)
「CYL.」には、乱視の矯正に必要な度数が記載されています。乱視矯正が必要な人のみ記載され、数値が0から離れるほど乱視の度合いが大きくなります。
近視は「-」、遠視は一般的に「+」と記載されます。
⑥ AXIS(AXまたは円柱軸)
「AXIS」は、乱視軸(乱視の角度)で、「0~180°」の角度が記載されます。乱視軸は人によって異なり、誤った方向に設定するとかえって見えづらくなります。
AXISは、乱視矯正を表すCYL.(円柱度数)と必ずセットで記載されます。乱視矯正が不要な場合は記載されません。
⑦ PRISM(プリズムまたは △)
「PRISM」は、斜視や斜位の症状がプリズムレンズによって改善できる、矯正が必要であると眼科医が判断した場合に記載されます。
⑧ BASE(基底または基底方向)
「BASE」は、PRISMとセットで記載され、プリズムをどの方向に向けるかを示すものです。主に「BI(IN)」「BO(OUT)」「BU(UP)」「BD(DOWN)」と記載されます。
初めてのメガネや作り直しに!おすすめのメガネを紹介

初めてメガネを作る場合や、度数が合わなくなってメガネを作り直すときにおすすめのメガネを紹介します。
自分に合ったメガネを見つけるには、視力や度数だけでなく、フレームのかけ心地や機能性も大切な要素です。軽くて快適なかけ心地のメガネを厳選しているので、メガネを作る際の参考にしてください。
● 軽くてずれにくい驚きのかけ心地を実現したFFT-69
● ほぼ素顔のような無重力感で、長時間かけてもストレスフリーなZEG-S013
● トレンドのクラシック風デザインが上品なAN-39
FFT-69

おすすめポイント
● 軽さと弾力性、ずれにくさを兼ね備えた快適設計
● 側頭部を締め付けず、包み込まれるような驚きのかけ心地
● 丸過ぎないラウンド型で誰でもかけやすいデザイン
「 FREE FiT(フリーフィット)」は、メガネをかける人の目線に立ち、ストレスフリーな驚きのかけ心地を実現している人気のメガネブランドです。
超軽量で弾力性のある樹脂素材を採用し、軽さとずれにくさを兼ね備えた快適な設計になっています。側頭部と顔が包み込まれるような感覚のかけ心地です。
こちらのモデルは、小ぶりに見えるフロントでありながら、ブリッジ幅を持たせることで男性にもかけやすいサイズとなっています。グレープレッドとライトブラウンはマット調で落ち着いた雰囲気になり、チャコールとグリーンブラックはべっ甲風で透明感があります。
素材にはリルサンクリアG850という植物由来のサスティナブル素材の樹脂を採用し、身体にも環境にも配慮しました。
詳細情報
大きさの目安 | 小さめ |
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フレームの形 | ラウンド |
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レンズ横幅 | 49mm |
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間隔(鼻ブリッジ) | 19mm |
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テンプル | 145mm |
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天地幅 | 40mm |
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カラー | グレープレッド/チャコール/グリーンブラック/ライトブラウン |
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ZEG-S013

おすすめポイント
● メガネをかけていないような無重力感
● 軽くてしなやかで、一日中かけていてもストレスフリーのかけ心地
● 丸みのあるスクエア型で幅広い年代におすすめ
「ZEROGRA(ゼログラ)」は、1日中メガネをかけているメガネユーザーに向けてストレスフリーのフレームを提案しているブランドです。
これまでにない軽さとしなやかさで、メガネをかけているのにかけていないような無重力感を実現しました。ほぼ素顔なかけ心地が特徴です。
こちらは丸みを持たせたスクエア型で、幅広い年代におすすめのデザインです。極限までリムの厚みを細くし、プラスティックフレームながらすっきりとした印象でかけられます。細身のデザインからは想像できないほどの丈夫さも両立している1本です。
また、S字クリングスでボリュームのあるモダンによって、安定したかけ心地になっています。
詳細情報
大きさの目安 | 小さめ |
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フレームの形 | スクエア |
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レンズ横幅 | 50mm |
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間隔(鼻ブリッジ) | 17mm |
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テンプル | 140mm |
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天地幅 | 34mm |
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カラー | レッド/ブラウン/グレー |
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AN-39

おすすめポイント
● トレンドのクラシックなデザインで上品な雰囲気に
● こだわりを追求した、かけたときに完成形となるメガネ
● 極力ボリュームを抑えたブローですっきりとかけやすい
「A NU(ア・ニュー)」は、トレンドであるクラシック風にほんの少しニュアンスを加えたデザインが人気のブランドです。全体的な丸みや線の細さ、レンズの形やサイズ感、カラーリングまでこだわりを追求し、“かけた時に完成形”となるメガネが誕生しました。
こちらはボストン型のブローフレームで、全体的にヴィンテージっぽさを感じるデザインとなっています。極力ボリュームを抑えたブローにより、すっきりとした印象を与えます。
詳細情報
大きさの目安 | 小さめ |
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フレームの形 | ボストン |
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レンズ横幅 | 47mm |
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間隔(鼻ブリッジ) | 20mm |
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テンプル | 145mm |
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天地幅 | 40mm |
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カラー | ブラック/ダークブラウン/デミブラウン/カーキ |
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商品詳細を見る
自分の目に合ったメガネで快適な視界を手に入れよう

メガネの作る際、処方箋が必須というわけではありません。ただし、眼科を受診し、目の内部の状態を基にした処方箋でメガネを作ることで、目の状態に適したメガネを作れます。視力が低下した理由が思わぬ眼病である可能性も考えられるため、気になることがある場合は眼科を受診しましょう。
特に、初めてメガネを作る人やお子様、乱視や老眼が進んで今のメガネが合わないと感じる人は、眼科で目を調べてもらうことをおすすめしますので、一度検討してみてください。。
自分の目の状態や視力にぴったりのメガネを作って、快適な視界を手に入れましょう。