乱視の症状が現れると、ものを見るときの焦点が一カ所に定まらず、ものがブレて見えたりぼやけて見えたり、二重に見えるといったことがあります。
本記事では、乱視の症状が現れる原因や近視との違い、乱視の種類や見え方を詳しく解説します。
乱視の症状への対処法や、メガネを作るときのおすすめ商品も紹介するので、「これって乱視?」と見え方が気になっている方はぜひ参考にしてください。

アイリスター麻布クリニック院長
西之原 美樹先生
東京大学附属病院で研修後、東京逓信病院に勤務。2004年アイリスター麻布クリニックを開業。1万人以上の高校野球球児や野球選手、サッカー選手などアスリートの視力機能の向上に携わっている。目から身体全体の健康に関するアドバイスも行う。
日本眼科学会 / 日本レーザー治療学会
日本麻酔科学会 麻酔科標榜医 / 日本美容外科学会
日本ペインクリニック学会 / 日本抗加齢医学会員 等
乱視の症状とは?

乱視の症状は、眼の角膜や水晶体のゆがみで生じる屈折異常によって起こると言われています。乱視の症状が起こる原因としくみ、近視との違いを解説します。
乱視の症状の原因
乱視の症状は、眼の中の角膜や水晶体のゆがみによって起こるとされています。角膜または水晶体が、ラグビーボールのようにつぶれた形になっているのが特徴です。
角膜や水晶体の形状には、個人差があるものの、大なり小なりゆがみがあるのが一般的です。さらに、このゆがみには生まれつき(先天性)と、後から生じたもの(後天性)があり、後天性のゆがみは、暗い中でスマホやPCの画面を長時間見ている、細かい文字を見続ける、などが原因で起こるケースが多いとされています。
角膜や水晶体にゆがみがあると、光の屈折に差が生じ、眼に入ってきた光の焦点が複数できてしまいます。焦点が複数できると、対象物を見る際のピントが一か所に定まらず、ものがブレたりぼやけたりすると考えられているのです。
近視の症状との違い
近視の症状と乱視の症状は、基本的に仕組みが異なります。
近視の症状は、近くのものはハッキリ見えるものの、遠くのものはぼやけて見えます。近視の症状は、眼の奥行き(眼軸)が長すぎたり、水晶体や角膜の屈折力が強すぎたりして起こるとされています。
一方で、乱視の症状は眼に入ってきた光が一か所で焦点を結ばず、複数に分散してしまうことによって起こります。そのため、近くでも遠くでもぼやけて見えたり、二重に見えたりするのが特徴です。
乱視の症状の種類
乱視の症状には、「正乱視」と「不正乱視」と呼ばれる2つのタイプがあります。医師のもとで「乱視」と診断された場合、眼球がいずれかの状態になっていることが考えられます。
正乱視

正乱視は、角膜や水晶体が上下や左右、または斜めに押しつぶされて、ラグビーボールのような形になっている状態を指します。そのために焦点が1か所に合わない状態で、傾きの方向や形によって次の3つに分類されています。
● 直乱視:横向きに上下が押しつぶされた状態
● 倒乱視:縦長に左右が押しつぶされた状態
● 斜乱視:角膜や水晶体が斜めになっている状態
両眼に同じくらいの症状が現れる人が多いですが、片眼だけに現れる場合や、一方が直乱視、一方が倒乱視というケースもあります。
不正乱視
不正乱視は、主に角膜の表面に不規則なでこぼこやゆがみが生じ、ピントが合いにくくなるとされています。片目で見ると、ものが何重にもぶれて見えることがあります。
不正乱視は、外部からの衝撃で角膜が傷ついた場合や、炎症・疾患などで角膜にゆがみが生じることが主な原因だとされています。また、水晶体がゆがむ、白内障の初期に水晶体の一部が固くなることでも引き起こされやすい症状です。
乱視の症状におけるものの見え方

乱視の症状として考えられることと、乱視の見え方を紹介します。思い当たる症状がないかチェックしてみましょう。
これって乱視?チェックしてみよう
乱視の症状として考えられることは次の通りです。ただし、あくまでも参考程度として、気になる場合は眼科で医師の診断を受けましょう。
● 物がぼんやりと見える
● 文字が二重に見える
● 文字がぼやけて読みづらい
● 目の疲れや頭痛が発生しやすい
● 夜間の視力が低下しやすい
● ヘッドライトや夜景が二重に見える
● 目を細めて物を見ようとする
乱視の症状があると、明るい場所よりも暗い場所や夜間のほうが視界がぼやけて見えづらくなるとされています。そのため、夜景や信号の光がにじんだり、複数に見えたりすることがあるでしょう。
乱視の症状である可能性が考えられる場合は、適切な視力矯正や治療が必要なケースもあるため、眼科医に相談しましょう。
乱視の症状ごとの見え方の違い

乱視の症状によっては、線の見え方に違いがあります。
「直乱視」は最も多いとされる乱視で、上下の線がハッキリ見えるものの、左右の線はぼやけて見えます。「倒乱視」は左右の線がハッキリ見えるものの、上下の線は見えにくいのが特徴です。
「斜乱視」は斜めの線が見えやすく、その線に直角に交わっている線が見えにくいと言われています。
文字は縦・横・斜めの線の組み合わせでできているため、乱視があるとぼやけているように見えやすいでしょう。新聞や書籍、道路標識、パソコン、スマホなどで似たような文字の区別がつきにくい場合も、乱視の可能性があると考えられます。
乱視の症状への対処法

乱視の症状が現れた場合の対処法は、大きく分けて次の3つです。
● メガネをかける
● コンタクトレンズをつける
● 手術を受ける
それぞれの対処法を詳しく見ていきましょう。
メガネをかける
一般的な正乱視の症状による見えにくさは、メガネをかけて視力を矯正することで改善できるとされています。乱視の症状に合わせたメガネを作る際には、見え具合と使いやすさのバランスを取りながら屈折度を矯正する必要があります。そのため、眼科医の診察を受けたうえでメガネを作ると良いでしょう。
メガネは眼に直接触れないため、目の充血や痛み、結膜炎など、目の健康に不安があるときでも着用が可能で、かけ外しや手入れも簡単なため、便利な対処方法です。
ただし、角膜の表面が均一でない不正乱視は、メガネでの矯正が難しいとされており、ハードコンタクトレンズか手術で対処する場合が多いでしょう。
コンタクトレンズをつける
乱視用のコンタクトレンズを装用する方法もあります。コンタクトレンズは、スポーツや激しい運動の影響を受けないところがメリットと言えるでしょう。
正乱視は乱視用ソフトコンタクトレンズ、不正乱視はハードコンタクトレンズで対処するケースが多いようです。
ただし、コンタクトレンズはメガネほど細かく乱視の補正をすることが難しいです。また、衛生管理を怠ると、目のトラブルにつながるリスクも考えられます。
そのため、コンタクトレンズで矯正する場合も、万が一に備えてメガネを作っておけば安心です。
手術を受ける
レーザー光線で角膜の屈折度を変えて乱視を矯正する「レーシック手術」や、眼の中に有水晶体眼内レンズと呼ばれる特殊なレンズを入れる「有水晶体眼内レンズ手術」を受ける方法もあります。
ただし、目の状態によっては医師の判断で手術を受けられない場合もあります。また、治療費が高額になりやすい点に注意が必要です。眼科で検査を受け、医師の詳しい説明を聞いたうえで検討すると良いでしょう。
疲れやすさを軽減するおすすめメガネ3選

乱視の症状が現れても、適切な視力矯正をすれば快適な視界を手に入れられるでしょう。常にピントを合わせようとして目が疲れやすい乱視のために、疲れにくいメガネを紹介します。
FFT-067

おすすめポイント
● 超軽量で弾力性のあるサステナブルな樹脂素材を使用
● 軽さとずれにくさを兼ね備え、驚きのかけ心地を実現
● 人気のボストン型でどんなファッションにも合わせやすい
メガネをかける人の目線に立ち、疲れにくいメガネが人気の「FREE FiT(フリーフィット)」のメガネです。
超軽量で弾力性のある樹脂素材を採用し、軽さとずれにくさを兼ね揃えた作りで驚きのかけ心地を実現しています。側頭部と顔を締め付けることなく、包み込まれるような感覚でかけられます。
人気のボストン型で、似合うメガネを悩む方もかけやすいサイズ感です。人気のアースカラーで、顔にかけたときにテンプル内側のカラーがチラッと見えるのがワンポイントになっています。どんなファッションにも合わせやすいデザインです。
詳細情報
サイズの目安 | ふつう |
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フレームの形 | ボストン |
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レンズ横幅 | 52mm |
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間隔(鼻ブリッジ) | 18mm |
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テンプル | 140mm |
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天地幅 | 40mm |
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カラー | ミントグリーン/キャメル/デミブラウンマット/ローズブラウン |
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商品詳細を見る
ZEG-S011

おすすめポイント
● 軽くしなやかでメガネをかけていないかのような無重力感
● ストレスフリーなかけ心地と丈夫な機能性を兼ね備えた1本
● 定番のスッキリしたオーバル型でスマートなデザイン
一日中メガネをかけていてもストレスフリーのフレームが人気の 「ZEROGRA(ゼログラ)」は、メガネの聖地である鯖江の技術を結集して開発した最軽量シリーズです。
軽くしなやかな作りで、メガネをかけているのにかけていないような無重力感のメガネです。繊細なデザインからは想像できないほどの驚くべき丈夫さも両立しています。
こちらは定番のオーバル型で、スッキリとミニマムなデザインながら、安定したかけ心地の1本です。よりシンプルで無駄を削ぎ落としたデザインとなっており、スマートなメガネを探している人におすすめです。
詳細情報
大きさの目安 | 小さめ |
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フレームの形 | オーバル |
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レンズ横幅 | 49mm |
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間隔(鼻ブリッジ) | 17mm |
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テンプル | 138mm |
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天地幅 | 37mm |
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カラー | ブラウン/ゴールド/レッド |
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商品詳細を見る
CRP-1027

おすすめポイント
● 世代を問わずに長く使えるシンプルなデザイン
● レンズの縦幅が細めのキリッとしたスクエア型
● 落ち着いたカラーで誰でも合わせやすい
「CRAFT(クラフト)+OPTICAL(オプティカル)」をミックスした造語からなる「CRAPT(クラプト)」は、流行のクラシック系を気軽にかけこなしてほしいという思いから生まれました。
こちらのメガネは、レンズの縦幅が細めのキリッとしたスクエア型です。シャープな印象でありながらも緩やかなカーブにすることで、きつく見えにくいデザインに仕上げています。
落ち着いたカラーバリエーションで、世代問わずに長く使えるシンプルなメガネです。
詳細情報
大きさの目安 | ふつう |
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フレームの形 | スクエア |
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レンズ横幅 | 53mm |
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間隔(鼻ブリッジ) | 15mm |
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テンプル | 145mm |
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天地幅 | 31mm |
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カラー | ブラック/ブラックハーフ/ブラウン/ネイビー |
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商品詳細を見る
乱視の視力矯正をして快適な視界を手に入れよう

乱視の症状による見えにくさは、メガネやコンタクトレンズなどで適切な視力矯正をすれば改善できるとされています。
ただし、自分の見え方に合わせて使いやすさのバランスを考えたものを作る必要があるため、乱視の症状があると感じる場合は、まずは医師の診察を受けましょう。
自分の目の状態や視力を詳しく検査してもらったうえで、自分の目の状態や見え方に合ったメガネを作り、快適な視界を手に入れましょう。