視力と度数の関係は？気になる用語や数値を解説！

みなさん一度はメガネの保証書やコンタクトレンズの箱に書かれているアルファベットや数値って何のこと？と疑問に思ったことはないでしょうか？そこで今回は、視力と度数の関係性、それに関連する用語や数値についてご紹介します。

視力と度数は実は全く異なるものです。視力0.1の方が10人いれば、実は10通りの度数が存在するのです。
ここでは、視力と度数の用語のそれぞれの定義について説明します。

視力とは、空間における物体の存在や形状を「認知する力」を数値化したものです。視力矯正用のメガネやコンタクトレンズを使用した状態で測定する視力は矯正視力と呼ばれ、視力矯正用のメガネやコンタクトをしていない状態で測定する視力を裸眼視力と呼びます。
視力検査は、国際標準視力表示方式と呼ばれているランドルト環を用いた方法が一般的です。ランドルト環と言われる「C」のようなカタチをした環の切れ目が上下左右どこにあるのかを答えて、視力を測定する方法です。
この測定方法では、5メートルの距離から外径7.5mm、太さ1.5mmのランドルト環の切れ目を確認できると、視力1.0と判断されます。背景は白、ランドルト環の色は黒で表現しなければいけないという国際ルールがあります。

度数とは、視力矯正用レンズの「屈折力」を単位化したものです。度数はディオプトリーという単位で呼ばれ、「D」で表されますが、これは焦点距離を意味します。

マイナス表記されるのは近視用の凹レンズ、プラス表記されるのは遠視用の凸レンズとなり、数字が大きくなるほど度数が強くなります。近視の場合は網膜の手前に位置する焦点を網膜に届くように奥に、遠視の場合は網膜よりも奥に結んでしまう焦点を手前にある網膜に戻すことで「物がはっきり見える」という状態になります。

視力と度数の関係性はイコールではありません。実は視力というのはあいまいなもので、視力検査で裸眼が0.1と判定されたとしても、人によって見え方が違います。視力とは「物体や形状を認知する力」と定義されているので、物がはっきり見えているか、歪んでみているかということではなく、そこに物があると認知できれば、それが視力となるのです。
極端な話、視力検査時にランドルト環の切れ目がしっかり確認できていないのに「上かなぁ」と答えて、それが合っていれば見えていると判断されてしまいます。そのため、裸眼が0.1であっても、「見え方」に差があるということなのです。
そのため、視力だけでメガネやコンタクトの「度数」を計算することはできません。
また、メガネとコンタクトレンズの場合では、例えば、1.0に視力矯正する場合でも度数が異なります。なぜなら、角膜上に直接のせているコンタクトレンズと、目とレンズの間に距離があるメガネとでは焦点距離が違うため、見え方が変わってしまうのです。仮にどちらも「-2.00D」という度数のコンタクトレンズ、メガネを着けて見え方を比べてみると、メガネのほうは見え方が弱く感じます。そのため、メガネとコンタクトレンズとでは、それぞれで度数を測定する必要があるのです。

メガネの保証書やコンタクトレンズの箱、視力検査結果には、さまざまなアルファベットや数字が書かれています。ここでは、ぞれぞれの表記が何を意味するものなのかを説明します。

《メガネに用いられる記載》

SPHとは、Spherical Lenz（ヘリカルレンズ：球面レンズ）の略で、近視または遠視の球面度数を意味します。符号が「-」表記の場合は近視を表し、「+」表記の場合は遠視を表します。この数字が大きくなるほど度数は強くなります。

CYLとは、Cylindrical Lenz（シリンドリカル：円柱レンズ）略で、乱視の度数を示すものです。日本語では、円柱度数と呼びます。

AXIS（アクシス）とは、円柱軸のことで、乱視の軸度を意味するものです。CYLが「0」以外の場合にのみ表記されます。

P.D.とは、Pupillary Distance（ピューピラリー ディスタンス：瞳孔間距離）の略で、右の瞳孔（黒目の中心）から左の瞳孔（黒目の中心）までの距離を表します。この場合の数字は、ミリを意味しています。

ADDは、Addition（アディション：加入度）の略で、遠近両用などの多焦点メガネを作る際に必要となる、近くを見るための度数数値を表しています。

EPとは、Eye Point（アイポイント：黒目の位置）の略で、左右それぞれ、レンズのどの位置に黒目が位置するのかを表す数値です。レンズ中心部の高さを±０として、それより上側を「+」、下側は「-」で表記されます。

これはメガネの用途を意味しており、遠くを見るためのメガネを表しています。日常的に使用するメガネや運転する時だけ使用するメガネが、これにあたります。

これは、近くを見るためのメガネを意味しています。読書や裁縫、デスクワーク、スマートフォンを使う際などに使用するメガネが、これにあたります。

《コンタクトレンズに用いられる記載》

BCとは、Base Curve（ベースカーブ）の略です。コンタクトレンズの曲がり具合を数値で表したもので、この数値が大きいほどカーブは緩やかになり、小さいほどカーブがきつくなります。

DIAとは、Diameter（ダイアメーター）の略で、コンタクトレンズの直径を意味しています。ちなみに、日本人の黒目の大きさは、年齢や性別による差がほとんどなく、平均して11〜12mmといわれています。

メガネやコンタクトレンズを購入する時、「1.0がはっきりみえるようにする」ことが当然だと思っている方も多いと思います。もちろん、ドライバーの方など、1.0がはっきり見えるようにしなければならないケースもあると思います。しかし、オフィス勤務で車の運転をしない方は、必ずしも1.0の視力が必要ということはありません。メガネやコンタクトレンズの度数を決める時、どういった環境、場面で使用するのかを考えて度数を選択することが大切です。

本来、メガネやコンタクトレンズは見たいものを見えやすくサポートするのが役割ですが、見えづらく、度数が合っていないと感じながらも、同じメガネやコンタクトレンズを使い続けていると、目が疲れやすくなり、見えにくいことでストレスも溜まってしまいます。ライフスタイルに合わせた度数を選び、年に1回程度の定期的な視力測定とあわせて、現在の見え方を確認していくことで、目の健康管理をしていきましょう。

眼鏡市場では、全国の店舗で専門のスタッフによる視力測定を無料にて承っています。また、お持ちのメガネは見えづらいがフレームはそのまま使用したい、レンズにキズがついてしまって見えづらいなど、お悩みやご要望にあわせてレンズのみ販売も行っていますので、ぜひお気軽にご来店ください。

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